起業して個人で稼ぐ生き方を選択する人が増えている一方で、「起業はリスクがあって危険だ」と言う人は今の時代も大勢います。
しかしそれは高度経済成長期やバブル時代に培われた「終身雇用」というシステムがその人の脳裏にずっとあるだけです。
実際に起業した人の話を聞けば、実際の世界は違っていることがすぐにわかります。
この記事ではいま起業しようか迷っているサラリーマン向けに「サラリーマン起業とは、どういうことなのか? 」というテーマを扱います。
1.自分のスキルで食べていく
「大手に入社すれば勝ち組だ」という短絡的な大手思考の学生は減っているようです。
日々、大企業の再建や身売りの話、不祥事や汚職の話を聞かされれば当然かもしれません。
ここ最近では東芝やシャープなどが話題になりましたが、大手でも倒産してしまう世の中になっています。
会社に頼れない以上、社会で生き残るためのスキルを自分なりに磨く必要があります。
自分のスキルで食べていくのです。
2.未来を見据えてスキルを磨く
例えば会計士などの資格を取得し開業することやデザイナーとしてのスキルを磨いて仕事を得ることが「自分のスキルで食べていく」の典型例です。
しかし、これだけで10年以上食べていけるかどうかは正直誰も保証できません。
なぜならビジネスサイクルは昔に比べどんどん早まっているからです。
新しくできたモノやサービスはすぐに陳腐化してまた新しいものに置き換えられ、すぐ忘れ去られてしまいます。
このように、あなたが身につけたスキルやビジネス手法も磨き続けなければすぐに通用しなくなってしまいます。
3.もしAIが台頭したら
たとえば、10年後にはAIが本格的に実用化された社会が出来上がっているかもしれません。
ちょっと前までは「芸術だけは人間に残された分野だ」と言われていたにも関わらず、「AIによる作曲」まで出てきてしまっています。
雑誌では、「10年後にAIに取って代わられる職業」の中に「弁護士・会計士」まで出てきてしまっている始末です。
このような環境変化に適応できなければ、起業で成功することはできません。
AI世界で生き残るために有効なスキルは3つ。このどれかの状態になっていれば、数十年後の未来も生き残っていけると思います。
①ITを使う側のエンジニアになる。
②コミュニティを持つ人間になる。
③ITを使い、コミュニティを持ち、新しい価値を生み出す起業家になる。
4.ビジネスのライフサイクルとは?
話を戻して、「大手が危険」というのをビジネスのライフサイクルで少しご説明します。
事業ライフサイクルと言いますが、事業ライフサイクルとは事業規模の変化を「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」の4つに分けて、S字カーブで表現したものです。
事業や製品の特性によってその期間は変化しますが、下記のグラフのようにどんどんと短命化してきています(出展:中小企業研究所「製造業販売活動実態調査」)。
5.つまりどういうこと?
大手は、常に新しいヒット商品を生み続けないと、大きくなってしまった固定コスト(人件費)を抱えきれなくなってしまうのです。
これはベンチャーでも同じです。
1個のヒット商品が生まれただけで会社の規模を大きくしすぎてしまうと、その後数年でヒット商品のライフサイクルが終わったときには会社が潰れてしまうということはよくあります。
この中で生き残っていくためには、会社のために生きるのではなく、自分の力を発揮できる分野を作っていくことが肝心になります。
起業という選択肢をすると、あなたは経営者になるわけですが、経営者として生きていくには、新しい価値を生み出す能力や組織力が必要です。
ゼロから起業していると、ビジネスに必要な全てのスキルが身につきます。
ビジョンを考え出すファーストステップに始まり、その後ビラも作らなきゃいけないし、HPもなんとか自分で作れないか、マーケティングフレーズを考えたり、サービスを作ったり、お客さんへの説明の仕方を考えたり、経理や法務も勉強します。
その上で売上が上がってビジネスが回ってくると、それぞれのスキルのプロたちに仕事をお願いするようになってきます。
これが2つ目の社長スキルである組織力です。より大きなサービスを作ることができるようになります。
この2つのスキルが揃えば、たとえ1回目の起業に失敗したとしても2回目の起業時には1回目の失敗を活かしながら成功することができるでしょう。
6.最後に
起業と聞くと、みなさん「難しそう・リスク高そう・怖そう・大変そう」と思われると思いますが、戦略的にやっていればそんなことはありません。
もちろん会社を辞めて起業一本に絞ろうとしたら大変だしリスクは高いと思います。
しかしサラリーマンでいる今、できる限りの準備をしておけばリスクを最小限に抑えて起業することが可能です。
以上、会社を続けながら起業するというのはどうでしょうかというご提案でした。