起業してから20年で半分の会社がなくなる厳しい現状があります。
これを多いと捉えるか少ないと捉えるかは人それぞれですが、「起業はやめとけ、サラリーマンとして生きていくべきだ。」という意見には一応の説得力があると言えます。
一方でこのような中でも起業して成功している人はいます。
成功している人にはどのような共通点があるのでしょうか。
私は新規事業の企画、ベンチャー企業への出資を通じた支援などの仕事を通じて多くのベンチャー企業と関わってきました。
波に乗って事業を拡大できる起業家もいれば、事業を軌道に乗せることができず苦しむ起業家もいました。
その見てきた限りで起業に向いている人の性格や特徴を紹介したいと思います。
起業に向いている人の共通点
①思い立ったら行動する
一つ目が思い立ったら行動する人。
起業家は考えてから行動する賢い人より、細かいことを考えずにすぐ行動するくらいのスタンスを持った人がベストです。
要は少しバカな方が向いています。
起業すると多くの壁(問題)に立ち向かわなければなりません。
考えていても解けないような問題が多く、行動できない人は時間ばかりがたってしまいます。
頭がいい人は出来ない理由をすぐ見つけてしまい結局行動をしない、もしくは相手に迷惑をかけてはいけないと思い行動を自粛してしまいます。
一方バカは出来ない理由がわからないままとりあえず行動します。
状況を把握せずにとにかく自分の思いをぶつけようとします。
その足りなさ、不十分なまま飛び込んでくる様が相手から好かれることもあります。
こういった人は周囲にも助けられる機会に恵まれています。
つまりは愚直に行動し続ける人の方が成長するし、確率は低くても大きな成功が舞い込んできたりするものです。
②適度に不真面目
真面目すぎる人は起業家には向きません。
起業家には様々なプレッシャーや気苦労がのしかかるからです。
たとえば取引先の要望に応えられるか、売掛金を回収できるか、資金繰りを保てるか、社員がいきなり辞めたりしないか、クレーマーが出てこないかなど。
特に起業直後はサービスや商品がしっかりとしていなかったり、顧客に対する十分な対応ができないこともあったりするのである程度のクレームは覚悟しなければなりません。
たくさんのストレスがある環境において、真面目すぎると潰れてしまいます。
また、起業家は全体を俯瞰して客観的に見る能力も必要になります。
真面目すぎる人は細部にこだわり全体像が見えなくなり、八方塞がりになることがよくあります。
適当力が必要です。
③ノウハウを持っている
ノウハウがない分野で起業すると、乗り越えないといけない壁が増えます。
基本すらできていない状態で挑戦をしようとしてもなかなかうまくはいきません。
ノウハウがある分野で起業をするか、転職などをしてノウハウをつけてから起業をしたほうが成功率はグンと上がります。
全く畑違いの分野で起業をするのはおすすめしません。
④柔軟性がある
起業して失敗する典型が自分の考えに固執する人です。
こういった人は一度失敗すると長期にわたって失敗をし続けることになります。
物やサービスは日々移り変わる顧客のニーズを満たして初めて売れるものです。
だからこそ、ニーズの変化に合わせてビジネスモデルを変更するくらいの柔軟性がないと基本的に起業は成功しません。
アップル、アマゾン、グーグル、トヨタなど成功している起業のほとんどが当初のビジネスモデル通りではなくてビジネスモデルを変えています。
⑤人を巻き込むのがうまい
一人だけでこなせる仕事量には限界があります。
事業の安定と拡大を狙うにはどうしても人を巻き込む必要があります。
そのため、人を巻き込むのが上手いのでれば起業の成功確率はあがります。
例えば採用の場面。
起業して間もない時期で会社としてアピールできる点がない、そんな状況で優秀な人を採用するには、起業家としての思いを伝えてその人を巻き込む必要があります。
また、SNSで集客を行う際も、人を巻き込むのが上手ければその人達がインフルエンサー的な役割を果たしてくれます。
⑥決断力がある
起業をすると決断の連続。
その決断が起業の成否に大きく関わってきます。
この決断の質が高ければ起業の成功率はあがります。
質を上げるには起業経験者の話を聞くことをオススメします。
⑦選択と集中ができる
選択と集中は元GEのCEOジャック・ウェルチが考え出した戦略です。
起業家はやらないことを選択していくつかに選択をしたほうがいいです。
⑧人脈がある
人脈があればそのつてを使ってモノやサービスを売ることができます。
また人材採用の面でも人脈があることは重要になってきます。
特に最初の数人から十数人の採用は基本的に人脈を活かして採用しなければなりません。
優秀な人をいかに少ないお金で連れてこれるかは結構重要です。
⑨情報感度が高い
仕事をする上で用いるツールやサービスは常にアップデートされています。
新しいツールやサービスを知らないだけで無駄な努力や作業をして時間を無駄にするということもあります。
常に新しい情報を手に入れ続けて、どのようなツール導入したらいいのか、もしくはどのような企業と付き合うべきか判断する能力が必要です。
貴重な情報を発信している人のtwitterをフォーローするのも大事です。
⑩スキがある
自分より周りの人の方が経験豊富であったり優秀である場合は、手伝ってもらえることがよくあります。
周りに助けられながら起業家本人も成長することができます。
起業する側も自分が完璧でないことを認めていれば、周りの人に「助けて欲しい」「相談させてほしい」と簡単に言うことができます。
そういった姿勢を持っている人の方が事業を円滑に推進できるものです。
おわりに
ここまで起業に向いている人の特徴をご紹介してきました。皆さんは当てはまる項目あったでしょうか?
個人的には人を巻き込むのがうまい人に憧れます。中々なれるものではありません。
決して成功している人全員が上記に当てはまるわけではありません。
慎重な人も人脈ゼロの人も、中にはコミュ障の人もいるでしょう。
起業することを検討している人は、まず自分がどんな性格か、どんな特徴を持っているか、自己分析することから始めてみましょう。
起業までにやっておくべきことが見えてくるかもしれません。