• ロスカットを防ぐためにはどうすればいいの?
• もしもロスカットにあってしまったら、どのくらい損失が請求されるの?
• 実際にロスカットで大損した人はいるの?
と悩んでいる方の悩みを解決する記事になっています。
投資を始める上で非常に重要なワードである「ロスカット」。
相場から退場しないためにも覚えておくべきワードなので情報を押さえておきましょう。
ロスカットとは?
ロスカットとは、ポジションの含み損が一定の金額より膨らんでしまった際、FX会社が強制的に行うポジションの決済のことです。
これ以上の損失を防ぐために執行される措置で、証拠金以上の損失にならないように「資産を守る」役割があります。
ロスカットのメリット
ロスカットは一気に資産を失ってしまう投資家にとって最悪のイベントではありますが、そもそもは投資家のための制度でもあります。
もしロスカットがない場合、損失がどんどん拡大することで保証金以上の損失が出てしまい、口座の残高がマイナスになってしまう可能性があります。
マイナス残高は必ず回復しなければなりませんので、マイナス分は利用者の借金となってしまうでしょう。
ロスカットがあることで保証金はある程度残すことができ、口座残高がマイナスになることはありません (※相場急変時にはロスカットがはたらかない場合があります) 。
FX会社のロスカット基準
ロスカットは「証拠金維持率」に基づいて実行されます。
「証拠金維持率」とは、必要な証拠金に対する口座残高の割合で、ポジションの評価時点でFX口座内にいくら資金が残っているのかを意味する割合です。
この率は、「有効証拠金」÷「必要証拠金」×100(%)の計算式で求められます。
有効証拠金とは
FX会社に預け入れている証拠金に保有しているポジションの為替差益を加えたり、為替差損を差し引いた証拠金のこと。
証拠金維持率の計算方法は別記事でまとめてますので詳しく知りたい方はそちらを確認してみてください。
➤➤➤証拠金維持率とは | 計算方法から目安まで徹底解説!
証拠金維持率100%でロスカットとしているFX会社もあれば、50%に設定している会社もあります。
たとえば、FX口座に50万円を入れて、1米ドルが100円のときに10,000通貨(100万円分)で買うとします。
最大レバレッジの25倍だと、ポジションを取るのに必要な証拠金は100万円÷25=40,000円です。
この場合、証拠金維持率は50万÷40,000×100で1250%となります。
なお、同じFX会社でも取引コースによって異なる場合があるので、自分の利用しているコースのロスカット基準を把握する必要があります。
ロスカットが予定価格で成立しないこともある
ロスカットは間に合わないことがあります。
相場が急変したときには注文が相次ぎ、システム上で注文が通らない場合があるからです。
たとえばロスカット基準が50%の取引所で取引していたとき、証拠金維持率が30%まで下がったときにようやくロスカットされた、といったことがあります。
ロスカットに頼りすぎることなく、自分で損切りを行うことが大切です。
ロスカットで大損する原因
ロスカットで大損してしまう原因
・「損失を出したくない」気持ちが強い
・潔く損切りができない
いわゆる「塩漬け」状態に落ち入り、長い間含み損状態のポジションを保有し続けると、相場がより悪い方向に動いた場合、損失が大きくなります。
そして、そのままロスカット基準まで証拠金維持率が下がると、強制決済されて大金を失う可能性があるのです。
ロスカットで大損しないための解決策3つ
ここからは、ロスカットで大損しないための3つの解決策をみていきましょう。
ロスカットで大損しない解決策1:レバレッジを低くする
レバレッジが高すぎると大損になるのも早いため、強制ロスカットされやすくなります。
※以下、いずれも100%でロスカットとなるFX会社を利用した場合の想定です。
ケース1:レバレッジ10倍
<前提:資金10万円で1米ドル100円のときに投資、レバレッジ10倍で運用>
⇒100万円までの取引が可能なため、1万通貨分のUSDポジションを保有できます。
資金(有効証拠)|100,000JPY
レバレッジ|10倍(で取引すると決める)
取引総代金|1,000,000JPY
必要証拠金|40,000JPY(取引総代金の25分の1=4%)
維 持 率|250%(有効証拠÷必要証拠×100%)
1米ドル100円で買った後、94円まで円高になると、マイナス6万の含み損が発生。
このとき有効証拠金=必要証拠金の状態になります。
買 い |@100JPY/USD⇒10,000USDを保有
到 達 |@94JPY/USD⇒10,000USDを保有し60,000JPYの評価損を抱える
有効証拠 |100,000-60,000JPY=40,000JPY【変動!】
必要証拠 |40,000JPY【不変】
維 持 率|100%(有効証拠÷必要証拠×100%)
この時点で証拠金維持率100%のためロスカットされます。
同条件でレバレッジ2倍で運用した場合
<前提:資金10万円で1米ドル100円のときに投資、レバレッジ2倍で運用>
⇒20万円までの取引が可能なため、2000通貨分のUSDポジションを保有できます。
資金(有効証拠)|100,000JPY
レバレッジ|2倍(で取引すると決める)
取引総代金|200,000JPY
必要証拠金|8,000JPY(取引総代金の25分の1=4%)
維 持 率|1250%(有効証拠÷必要証拠×100%)
1米ドル100円で買った後、54円まで円高になると、マイナス92,000円の含み損が発生。
このとき有効証拠金=必要証拠金の状態になります。
買 い |@100JPY/USD⇒2,000USDを保有
到 達 |@54JPY/USD⇒2,000USD保有し92,000JPYの評価損を抱える
有効証拠 |100,000-92,000JPY=8,000JPY【変動!】
必要証拠 |40,000JPY【不変】
維 持 率|100%(有効証拠÷必要証拠×100%)
この時点で証拠金維持率100%のためロスカットされます。
このように上記のケースでは、レバレッジ10倍だと6円までの円高にしか耐えられませんが、レバレッジ2倍だと46円の円高まで耐えることができます。
レバレッジを抑え必要証拠金を少なくすれば、評価損を抱えられる度合を増やすことができます。
ものすごい差があることが分かるでしょうか。
とくにFX初心者や少額で取引される方は、大損しないために低レバレッジにしましょう!
ロスカットで大損しない解決策2:損切りラインを決める
FXで大損する人の多くは、はっきりとした損切りラインを決めていません。
そのため含み損が膨らみ続けても損切りできず、結果的にロスカットになってしまうのです。
また相場が急変するとロスカットすら間に合わず、資金を失うだけでなく負債を抱えてしまう場合もあります。
そんな最悪の状況にならないためにも、欲を抑えて自分で損切りラインを決めておけば、堅実に大損しないトレードができます。
ロスカットで大損しない解決策3:マージンコールに注意
マージンコールを無視すると、ロスカットにつながります。
「マージンコール」とは「追証」の意味で、FX各社が定めているロスカット基準に証拠金維持率が近づいているときに「このままだとロスカットされます」と通知される機能です。
そのため、この通知がきたら、下記のどちらかを徹底する必要があります。
マージンコール時のポイント
・決められた期日までにFX口座に追加で入金する
・保有中のポジションの一部あるいはすべてを決済し、証拠金維持率を高める
ロスカット失敗談1:逆張りとナンピン
下落トレンドが続いているために、買いポジションを増やしていき、結果的に多額の資金がロスカットにあうという失敗です。
とくにFX初心者は、リスクを感じたら、マイナスが増える前に損切りしてしまいましょう。
ロスカット失敗談2:損切りをしない
突然の急落に「すぐ戻ってくる」と放置していたために、どんどんマイナスが膨れ上がり損切りできない状態に。
早めに対応していればよかったものの、証拠金維持率が基準を超し、強制ロスカットされたという一例です。
ロスカット失敗談3:毎月初めの金曜日に大損
毎月初めの金曜日は雇用統計があり、レートが急変することがあります。
その事態に対応することができず、突然ロスカットされてしまったという失敗例です。
経済に関するニュースや為替に関わる重要な発表がされるときは、必ず事前にチェックしておきましょう。
海外FXは、ロスカットを受けて大損しやすい
FX初心者は、海外のFX会社は大損する可能性が高いです。
なぜなら海外のFX会社はレバレッジの規制がなく、マージンコールがないFX会社もあるからです。
ハイレバレッジは、為替が少し変動しただけでロスカットが間に合わず、大損する可能性があります。
一方、日本のFX会社は追証があるFX会社も多く、海外のFX会社に比べると安心です。
ロスカットしない投資法
ではどうやって証拠金維持率を高く保てるのかというと、戦略としては次の2つがあります。
• 証拠金をたくさん差し入れる
• 証拠金に対してポジションの金額を小さくする
証拠金をたくさん入れることで資金に余裕がでますので、証拠金維持率を高く保てます。また証拠金をたくさん入れても、ポジションの金額が多すぎるとロスカットされやすいです。
狙える利益額は下がりますが、ポジションの価格を小さくして損失を小さくしましょう。
まとめ
上記で紹介した「ロスカットを回避するための解決策3つ」を実践していただくと、今後はロスカットの対策が身につき、大損しずらくなります。
最後にもう一度内容を確認しましょう。
• 【習慣化】損切りラインを決める
• 【事前警告】マージンコールに注意する
相場では戦争や業績悪化の報道により、 突然価格変動が大きくなるときがあります。
さらに日本では大きな地震が発生するリスクもあります。
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